東京建物
Brillia ART AWARD

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No.11 
Brillia ART AWARD 2020作品・アーティスト紹介

TITLE:
「標本No.X:八重洲の古地磁気」
CONCEPT:
この展示場がある八重洲は、かつて海だった。
縄文期から現在までの間に、海域から湿地を経て江戸初期以降幾度も埋め立てられたのち、現在の地表になっている。
今私たちが目にする、アスファルトで覆われたこの地面の下には、幾層にも重なる基盤自然土と客土の層があり、これらの層は異なる古地磁気方向をもちながら一体化している。その様は多種多様な人が集まるこの土地を体現しているようである。
今、この地下に眠る地層を削り出すことができるなら、それはどんな姿をしているだろうか。
これは、歴史の断面を顕在化させる試みである。

ARTIST PROFILE

森藤 文華 / Fumika Morito
2010年
早稲田大学理工学部建築学科 卒業
2012年
早稲田大学院創造理工学研究科建築学修士取得
2013年
2.5architectsを設立
2015年
中之条ビエンナーレ
EWAA award finalists at La Galleria in London
2017年
日本建築設計学会 Architects of the Year 2017 受賞
かけがわ茶エンナーレ2017
2018年
かけがわ茶エンナーレ2018
2020年
東京ビエンナーレ
JIA ゴールデンキューブ賞 特別賞受賞

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:都心で展示ができる機会を公募で提供しているのはまれでしたので、以前より注目していました。また、展示場所が人の往来するショーウィンドウ的な角地であり、街の風景に溶け込む場所であることも魅力に感じた一つです。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:作品を作る際は、その場所ごとにサイトスペシフィックなアプローチで、まずは制作の手法から考えます。今回は、ビルが立ち並びこれからも発展していくであろうこの街の一角に存在するものとしての作品価値を考えるところから、つまりは、都市的なマクロ視点からスタートしました。
 
Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:今や都会の中では自由に露出した土に出会い難くなっています。この作品に現れた土の持つ美しさや表情を通して、今立っている足元には幾多の土の層、すなわち歴史が横たわっているのだ、ということを想起してもらえたら幸いです。それはきっと、誰しもがそれぞれに持つ、土への感覚の記憶を呼び起こすことにも結びつくのではないでしょうか。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:この作品には、実際に東京の工事ででた数種類の残土を使用しています。材料として精製されていない荒々しいマテリアルと向かい合い、展示場所で足下の地層に想いを馳せながら、ひたすらに製作できた日々は幸せでした。ガラスケースの標本箱の中にあるようなこの塊が、実は形状に収まらない土の魅力とエネルギーを発している様をぜひご覧ください。
最後に、今回の作品制作に携わってくださった、たくさんの方々に感謝いたします。
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