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Brillia ART AWARD

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No.09 
Brillia ART AWARD 2020作品・アーティスト紹介

Brillia ART AWARD 2020大賞
TITLE:
空間句集 場
「CASE ことばのうらがわ」
CONCEPT:
この作品は、空間を使った一冊の本(句集)である。
ことばと絵で空間句集という場を作りあげる試みである。

「ことばと人をめぐって」

ことば。人と人とが心を通わせる手段、ことば。
人と人は今、心が通い合っているだろうか?
ことばを受け止める心は広く在るだろうか?

街頭や部屋には大きな、掌の中には小さな液晶画面。
映し出されることば、ことば。
一瞬のあいだにいくつのことばが通り過ぎてゆくだろう。
中にはとてもたいせつなことばが紛れ込んでいるはずだ。
そうしてことばは意味を置き去りにして、
やがて記号となるのではないかと思うと怖くなる。
ことばは私たち人間そのものだから。

そんな中、いちど立ち止まってひとつのことばを噛みしめたり
味わったり、何度も反芻したりする営み。
それが今、要るのではないかと思う。
熟成期間、発酵期間とも言い得るだろう。

ことばのうらがわに何がある?
どんな気持ちがかくれている?だれが云った?
どうしてこのことばだろう?
色でいうとどんな色?かたちは?

ことばと絵を見つめながら、様々な想像を巡らせるひとときを。
豊かで、広々とした世界のためにこの作品を捧げる。
やさしさと少しのユーモアを込めて。
Brillia ART AWARD 2020大賞
審査員より:選出の理由

本作は、今までにない会場の使い方によって、自由なアート表現と、展示の多様性を実現し、Brillia Art Awardの今後の可能性を広げることができたと思います。

俳人でもあり、絵描きでもある園田さんは、応募時より個性的な文字が印象的で、作品が完成すると空間をどのように彩ってくれるのかという期待がありました。
完成された作品は、空間に吊り下げられた詩と絵画、また、作者のアトリエを思わせるような佇まいから、無限に詩が広がり、部屋主が不在でも作品と作者の想いが繋がっているように感じます。言葉が色になり、色が言葉になって繰り返される時間を楽しめる作品だと思います。
描かれた詩と絵画は、コロナ禍であった状況を表現するために制作されたのではありませんが、普遍的な時間軸を謳った内容が、道行く人々に希望を与えてくれたのではないかと思います。
以下に、作品の一部である印象的な詩を引用させていただきます。

“ひとつぶの泪もやがて雲となる”
“雨あがる万物どっと共笑す”

ARTIST PROFILE

園田 源二郎 / Genjiro Sonoda
2010年
芝不器男俳句新人賞 特別賞( 愛媛 )
2014年
個展「命脈」( FUMA CONTEMPORARY/東京 )
2014年、2016年
六花ファイル 作家選出( 六花亭製菓(株)/北海道 )
熊谷守一大賞展 奨励賞( 熊谷守一記念館/岐阜 )
2015年
個展「冬の賜物」( 六花亭製菓(株) / 北海道 )
2016年
武井武雄記念 日本童画大賞絵本部門 山本容子賞( 長野 )
2017年
あたらしい創作絵本大賞 優秀賞(大阪)
2019年
アートハウスおやべ現代造形展( 富山 )
宮本三郎デッサン大賞展(石川・東京) ほか

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:作品募集の告知を偶然みつけたのが始まりです。ギャラリーの写真や、コンセプトをのぞいてみると作品のイメージがぱっとひらめきました。それを実際にかたちにしたいと思ったのが、応募のきっかけです。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:絵と俳句(ことば)が一対になったものを天井から吊るすイメージがふと浮かびました。誰かが居る、今まで居たような部屋の中に。今回の企画はひらめいたイメージを壊さず、なるべく忠実に再現することに傾注した作品です。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:通りすがりにふと作品を見てくださる方の、まなざしの宿り木のような作品になればと思います。草木、虫や獣、人間、いろんな生きものが生きています。わたしたちが生きているのは、元来とてもゆたかで広々とした世界だということを現したいと思いました。何かの気配や息づかいを感じてもらえるように仕上げました。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:展示作業中に道行く方が声をかけてくださったり、近くまで来て作品をじっとみつめる方もおられました。人のまなざしやことば、向けられた思いによって作品は醸成されてゆくのだと改めて感じました。それらは目には見えないものゆえ、見えないところ・「うらがわ」を深く想うよう、わたし自身も作品から教えられた気がします。ありがとうございます。
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