東京建物
Brillia ART AWARD

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No.08 
Brillia ART AWARD 2019作品・アーティスト紹介

TITLE:
Book Para-Site
CONCEPT:
本と建築は似ている。本にも「扉」や「柱」と呼ばれるものがあるし、動線を考えながらレイアウトを作り込んでいく点もよく似ている。人間よりも小さく、手で持つことができるのが本で、人間よりも大きく、身体として入ることができるのが建築だ。大きさは異なるが、共に宇宙だ。
「最も重要な『芸術』を問われたなら『美しい家』と答えよう、その次に重要なのは『美しい書物』と答えよう。」私がブックアートの制作を始めた当時、大きな影響を受けたウィリアム・モリスの言葉にも、本と建築の関係性を読み取れる。建物の形に合わせて寄生するように存在する「本」が、新たな「本と建築の関係」を生み出す。

ARTIST PROFILE

太田 泰友 / Yasutomo Ota
2014年
バイエルン美術工芸協会 国際若手美術工芸賞 ファイナリスト
2015年
ヤング・ブックデザイン奨励賞 ショートリスト(ドイツ)
2016年
ポーラ美術振興財団 在外研修助成(ドイツ)
2017年
ブルグ・ギービヒェンシュタイン芸術大学(ドイツ、ハレ)ブックアート科
最高学位マイスターシューラー号取得
ALENTE賞 受賞(ドイツ)

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:仕事のつながりで Brillia ART AWARD のことを知った友人が、紹介してくれたのがきっかけです。作品募集のページで趣旨と展示空間の画像を見て、機会があれば実現したいと長い間考えていた作品に挑戦できそうだと感じたので、応募を決めました。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:以前に取り組んだプロジェクトで、〈建物〉と〈本〉の関係性を考え、小さなスケール感で〈建物〉の内部に〈本〉を寄生させたことがありました。その経験を元にしながら、とにかく「THE GALLERY」の形状をガラスの外から観察し、周辺の街の様子も観察しながら、東京建物八重洲ビルに〈本〉を寄生させる方法を考えました。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:〈本〉と〈建築〉の境界線になっていると感じる〈スケール感〉に迫ってみたいという想いで制作しました。作品の構造は木で、テクスチャーは紙で作り、〈本〉と〈建築〉の境界を追究しています。
作品の中で引用されているウィリアム・モリスの言葉は、僕の制作活動の原点になっている言葉で、制作の根元にあるものを改めて意識しながらも、新しい表現に挑戦しようという気持ちで取り組みました。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:新しい作品に挑戦できたことが率直にとても嬉しかったです。これまでに制作してきた作品と、それをもって思い描いていたものが、現実につながった感覚を得られました。特に、作品の細部は準備段階から把握できていましたが、この “Book Para-Site” が八重洲の街の中に息づく様子は、完成して初めて見ることができたので、ほっとした気持ちと、またこれを発展させていきたい気持ちを感じました。今回の貴重な機会をいただけたことに感謝するとともに、この経験をまた次の制作へと生かしていきたいと思います。
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