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Brillia ART AWARD

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No.07 
Brillia ART AWARD 2019作品・アーティスト紹介

Brillia ART AWARD 2019 大賞
TITLE:
ラフレシアのゆめ
CONCEPT:
ラフレシアは腐臭を放ち、
人間をも捕食しそうな印象がありますが、
実際には肉食ではなく、匂いを出さない種もあります。
また、花を咲かせると三日で枯れてしまうように、
見た目の強烈さとは裏腹に
繊細さや生命の美しさが存在しています。
ギャラリースペースをガラスの温室に見立て、
中にあらわれる強くて儚いいきものを
染色の伝統技法である絞り染と型染めの技法を用い、
一枚の布をそのまま、切り貼りすることなく
立体へと制作しました。
Brillia ART AWARD 2019大賞
審査員より:選出の理由

本作の大賞選定にあたっては、空間の活用と、細部のクオリティという2点を大きく評価しております。
ガラスに囲まれた特異な空間を温室と見立て、この中で生息した架空の花と都市が持つ二面性を重ねて表現した作品は、天井から吊るすことであたかも宙に浮いているかのように見えます。とても軽く、空調の風によって僅かに揺れ動き、通りゆく人が作品を見たときに、生命力を感じていたと思います。
また、複雑に構成された形は、実は一枚布で作られており、近づいて見た人により驚きを与えたと思います。シルクオーガンジーならではの発色による赤のグラデ―ションがあまりにも綺麗で、作品の花そのものに生命を感じさせています。
以上の観点から、無機質な展示空間に独特な世界観を実現した本作品を大賞とさせていただきました。

ARTIST PROFILE

寺村 サチコ / Sachiko Teramura
2012年
多摩美術大学大学院テキスタイルデザイン研究領域 修了
2013年、2015年
 中之条ビエンナーレ(群馬)
2017年
群馬のシルクアーティスト2人展 大竹夏紀・寺村サチコ(日本絹の里/群馬)
群馬の美術2017(群馬県近代美術館/群馬)
2018年
国際絞り会議2018 IN JAPAN SHIBORI 融合と進化(多摩美術大学美術館/東京)
日比谷花壇大船フラワーセンター 個展「ゆりかごに棲む」 など

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:募集は公募サイトから拝見しました。普段はギャラリーや美術館などのクローズな場所で展示させていただくことが多いのですが、都市部の中にある、だれでも作品に触れることのできる場所で展示ができることが面白いと思い応募いたしました。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:普段から「女性の持つ美しさとその裏側に存在する毒感」をテーマとし、花や海の生き物をモチーフに立体作品を制作しています。今回はギャラリーの3面がガラスケースということと、オフィスビルの施設に併設されている場所だったので、それを都市の中の温室と見立て、その中で育った二面性を持つ巨大な生物をつくりたいと考えました。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:都市の日常なかに巨大生物的なものが急に現れることで、普段と違う角度で景色や空間を見ることができれば面白いのではと考えながら制作しました。また実在する生物ではない、不思議な生命の持つ華やかさや怪しさと同時に存在する繊細さや儚さなどの二面性を感じていただければ嬉しいです。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:1枚の布を切り貼りすることなく、染色の技法を応用して凹凸をつけて作品を制作しています。今回の作品も3点で100m近くの絹布を使っているので、布の持つ可能性とともに、それらの持つ密度や熱量、空調や人の出入りによって作品もわずかにゆらめくので、「生き物感」も楽しんでいただけるのではないかと思います。
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