東京建物
Brillia ART AWARD 2021

ARCHIVEこれまでの作品

01
TITLE :
What?
ARTIST :
塩見 真由
2018大賞
02
TITLE :
東の女神
ARTIST :
堀口 泰代
03
TITLE :
Familiar
ARTIST :
藤江 竜太郎
04
TITLE :
やわらかい都市
ARTIST :
菅 拓也
05
TITLE :
もけもけもののかえる場所
ARTIST :
黒田 恵枝
06
TITLE :
TE・N・TSU・KI
ARTIST :
鮫島 弓起雄
07
TITLE :
ラフレシアのゆめ
ARTIST :
寺村 サチコ
2019大賞
08
TITLE :
Book Para-Site
ARTIST :
太田 泰友
09
TITLE :
CASE ことばのうらがわ
ARTIST :
園田 源二郎
2020大賞
10
TITLE :
すみかのすみか
ARTIST :
高井 碧
11
TITLE :
標本No.X:八重洲の古地磁気
ARTIST :
森藤 文華

Brillia ART AWARD 2018 No.01作品・アーティスト紹介

Brillia ART AWARD 2018 大賞
TITLE
What?
CONCEPT
「何だろう?」と何かを見つめている姿を見るという作品です。街で気になるアート作品に出会ったときに、これは何だろうと近づいてみます。そしてスマートフォンで写真を撮る光景を目にします。美術館やギャラリーに訪れてアート作品と対面する際は心構えがありますが、街中で出会うアートは不意打ちであり突然の出会いです。まずは気になる作品に近づいて立ち止まって見てみるということが、作品と鑑賞者を繋ぐ第一歩であり、最初の窓口だと考えるシンプルなコンセプトに基づいた作品です。
Brillia ART AWARD 2018大賞
審査員より:選出の理由

今回、初めての「Brillia ART AWARD」として多くの方にご応募いただき、審査により4名の作家を選出いたしましたが、1年を通してどの作品もコンセプト、素材、アプローチが異なり、毎回見ごたえのある作品になっておりました。

その中でも最初に展示した塩見真由さんの「What?」は、道行く人たちに大きなインパクトを与えました。突然日常の中に飛び込んできた空間いっぱいの大きな犬は、作者の意図した通り、見る人の「なんだろう?」という好奇心や不意打ちの驚きを喚起しました。視覚と脳を刺激することで生活に新鮮な感覚を与えるという、アートが持つ強い力を改めて証明していました。

ARTIST PROFILE

塩見 真由 / Mayu Shiommi
2011年
東京造形大学造形学部美術学科彫刻科卒業
2016年
愛知県立芸術大学大学院美術研究科博士前期課程美術専攻彫刻領域修了
【受賞】
2013年
審査員特別賞/TAGBOAT ART FES 2013/東京都産業貿易センター浜松町館(東京) イセ・カルチュラルファンデーション賞/ISE NY Art Search 2013/ISE Cultural Foundation(New York) 2016年 審査員特別賞/Independent TAGBOAT ART FES/浅草橋ヒューリックホール(東京)
【個展】
2017年
Fresh2017 塩見真由展/伊勢現代美術館(三重)
【グループ展等】
 
六甲ミーツ・アート芸術散歩2017/六甲山頂駅(兵庫) 他多数

「犬」をモチーフにしたダイナミックな作品で、ギャラリーに搬入する際、入り口ギリギリの巨大さにヒヤヒヤ。大人4人がかりで最新の注意を払い、無事に展示することができました。迫力がありながらも、実は犬のぬいぐるみをモチーフにした愛らしい作品です。コンセプトの「What?」と相まって、設置中もたくさんの方が興味深く足を止めてくださいました。

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:ギャラリーの空間と、以前からあたためていた作品のアイデアがぴったりはまりそうだなと思ったのが応募のきっかけです。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:スタイリッシュな建物と、手跡を感じるアナログな造形とのギャップを軸に考えました。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:何かを見つめる姿を見つめてみる、作品が鑑賞者の鏡となり、記憶や今を見つめるきっかけとなればという想いを込めています。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:多くの人が通ること、昼間は光がたっぷり入り、夜はライトアップされる、さまざまな魅力的な要素があるギャラリーに展示していただいたことにより、改めて造形と空間の妙を感じました。どうもありがとうございました。

Brillia ART AWARD 2018 No.02作品・アーティスト紹介

TITLE
東の女神
CONCEPT
この写真のモデルは東京のランドマークをモチーフにした衣服を身に着けています。この衣装には身体を拘束する力はなく、身に着けたまま自由に動くことが可能ですが、ひとたび「今の私はタワーだ。崩壊しないようにしなければ」という意識が働いたとたん、身体に制限がかかります。つまり、モデルの「ためらい」がそうさせるのです。この街は、ここに存在する一人一人の中の「女神のためらい」によって、危ういバランスを保ち、成り立っているのかもしれません。

ARTIST PROFILE

堀口 泰代 / Yasuyo Horiguchi
2004年
武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了
トーキョーワンダーウォール公募2004
2009年
トーキョーワンダーウォール公募2009
2010年
TWS-Emarging2010(個展)
2013年
EAST-WEST ART AWARD 2013ロンドン
2014年
第4回新鋭作家展公募 優秀賞/川口市
2015年
新鋭作家展2015(個展)
川口市アートギャラリー・アトリア
2017年
アートオリンピア2017 実行委員特別賞
TOKYO POST CARD 2017 審査員特別賞

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:なんといっても展示するギャラリーが魅力的でした。一般的なアートギャラリーのような非日常な場でもなく、街の一部でありながら、完全にパブリックな場所でもない。いい意味で「浮いている」場所に、展示してみたいと思いました。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:東京都心部のこの特殊な場所で、どういう作品を展示するべきなのか、自分が作りたい作品というよりも、場所の力に突き動かされ、制作を進めてきました。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:わたしの作品は「不の条件付け」です。鳥や飛行機が、空気抵抗という、飛ぶことに対して不利であるような力を逆に利用するように、鑑賞者が不の力で見えなかったのものを見る、気づかなかったことを意識する、そのための手がかりになればと思っています。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:「浮遊している場所」に向けての制作は、完成像がイメージしにくく大変なこともありましたが、展示したらどうなるんだろうと未知の展開にワクワクしながら作りました。

Brillia ART AWARD 2018 No.03作品・アーティスト紹介

TITLE
Familiar
CONCEPT
散水用のビニールホースを水に見立て、都会のオアシスを制作。私にとってホースは、庭の水やり、子供の水遊びなど、ありふれた家族の日常を連想させるもの。遠景からは鮮やかな滝として涼しげな安らぎを与えていますが、近づいてよく見ると、ホースで制作した植物を各所に配置。水が植物を育む姿を、家族のメタファーとして表現しています。

ARTIST PROFILE

藤江 竜太郎 / Ryutaro Fujie
2004年
広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期過程修了
2009年
国際アートプロジェクト2009「Boondocks」/Hannover,ドイツ
2010年
六甲ミーツ・アート芸術散歩2010公募大賞受賞
2011年
神戸ビエンナーレ しつらいアート国際展準グランプリ
2012年
開港都市にいがた 水と土の芸術祭2012
2016年
かがわ・やまなみ芸術祭

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:インターネットの公募サイトを見ていたときに、偶然目に入ったのがきっかけです。プラン締め切りの3日前に気付いたので、出すか出さないか悩みましたが、思い切って応募することに決めました。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:これまで、身近な自然に目を向けるきっかけになるような作品を制作していました。今回は夏らしく、水をテーマにしたいという思いから、"オフィス街のオアシス"をキーワードにして企画を考えました。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:各所に配置した植物は自宅周辺に咲く植物をモチーフに、趣味である釣りの毛針制作の手法を応用しています。私の生活の中でありふれていることを、構成要素として作品に込めました。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:展示空間にちゃんと収まるかヒヤヒヤしましたが、幸いにもスーパーミラクルが起こり、無事設置することができました。作品を見た方の「ビルが水漏れしている!」という反応に、建物と作品を一体化させたいという狙い通りになってうれしかったです。

Brillia ART AWARD 2018 No.04作品・アーティスト紹介

TITLE
やわらかい都市
CONCEPT
大都市であればあるほど、行き交う人たちの関係性は見えづらくなっています。しかし実際は社会である以上誰もが無縁ではなく、見えない糸で複雑に絡まりあっています。SNSなどで会話が可視化されている一方、なにげない会話は減り、街に流れる音は記憶にすら残らず消え、日常こそ重要だということが見えづらくなっている気がします。これは日常の中で消えてしまう「形のない形」を、都市の形を借りて立体的なドローイングという手法で編んだ、東京の中でもっともやわらかい建築です。

ARTIST PROFILE

管 拓也 / Takuya Suga
2007年
メルボルン日本芸術祭 メルボルン21世紀日本文化振興芸術賞
2011年
オーストラリア・シドニー ME AND ART GARLLERY"911" 展示
TAGSTOCK GREETING CARD Contest 2011 最優秀賞
2014年
羽田空港 ザ ロイヤルパークホテル 東京羽田の客室3部屋にアートワーク展示
2015年
グランシップアートコンペ2015 グランシップ賞
2016年
NIKKOセラミックカレンダーデザイン 最優秀賞
個展「a Closet Theatre EXHIBITION」
2017年
ART STAND present「YAHAGI’s SENSE展」
U-MEDIA湘南にて壁画制作
スマイル展 curated by ホフディラン
山崎円城×管拓也JOINT EXHIBITION「落書きカンバセーション」

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:場所によって創り出すものもその見え方なども含めて変わります。自分にとって新しい場所で新しい作品を創るためです。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:ふだん描いているドローイングをどのように違う視点を持てるか?そういった自分にとっての問題から発想しました。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:ふだん描いているドローイングに違う視点を与えるために自分の描いたドローイングを立体化させて、「やわらかさ」「建築」「東京」を柱にして展示空間を一つの抽象画にしたいと思い創りました。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:展示をしながら改めてさまざまな人が通る場所だと思いました。そこを通る人たちもそれぞれ自分にとっての東京を持っているのだと思います。東京を舞台にした映画でもすぐに東京だと分かるランドマークを映すよりも東京のどこなのかがわからないカットが続くほうが画として緊張感が生まれ未知の記憶を刺激されます。衛星写真のように抽象的な東京を見下ろしながら程よい緊張感の中でやわらかい建築を建造できて嬉しく思います。

Brillia ART AWARD 2019 No.05作品・アーティスト紹介

TITLE
もけもけもののかえる場所
CONCEPT
目覚めて支度をし家を出る、活動する、家へ帰り、眠りにつく。
社会という大きな生き物の呼吸のように続いてゆく日常。
そしてその中に生きる私たち。

もけもけものに私たち人の存在を投影し、
『安らげる場所、拠り所となる場所、新たに生まれるための場所、かえる場所とはどんなところだろう?』と想像し、
巨大な卵のような、不思議なお家のような存在として表現しました。

ARTIST PROFILE

黒田 恵枝 / Yoshie Kuroda
2010年
多摩美術大学美術学部情報デザイン学科 情報芸術コース卒業
2017年
HAPTIC DESIGN AWARD受賞者展@Fab Café Tokyo東京 佳作
SICF18@スパイラル東京 審査委員栗栖良依賞
シブヤスタイルvol.11@西武渋谷店東京
2018年
SICFWinners Exhibition@スパイラル東京
個展「FANTASTIC GRAVE」@THE blank GALLERY東京
など

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:多くの方が往来する公共の場所で、昼夜問わず鑑賞して頂ける展示環境にとても魅かれ、応募したいと思いました。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:『住まい』というキーワードを出発点に、私達の住まう場所、とても広義な意味で私達が存在している場所とは、それはどんなかたちをしていてどんな存在だろう?と想像を膨らませていきました。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:タイトル中の『かえる』は、●帰る...自分の愛着のある場所に戻ること ●還る...根源的な状態にもどること ●孵る...卵が割れて孵化するといった様々な意味が込められた言葉だと思います。人々自身の境遇や心情、記憶などを投影し、ストーリーを想像したり考えたりして楽しんで頂きたいという想いを込めて制作しました。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:スタイリッシュな建物の質感、素材である衣類と生き物達の有機的な質感は一見ミスマッチのようで、でもどこか不思議な調和を感じさせる景観をつくりだすことが出来たのではと感じています。それから、昼と夜、雨の日や晴れの日などで作品のみえ方や感じ方も変化し、それもまたこの空間自体のもつ面白さだと思いました。

Brillia ART AWARD 2019 No.06作品・アーティスト紹介

TITLE
TE・N・TSU・KI
CONCEPT
最初に展示スペースを見たとき、天井のダクトレールがひときわ異彩を放っているように感じました。珍しい升目状の配置に加えて、3面をガラスに囲まれたこの空間では、それが床置きを除いた唯一の作品設置方法であるがゆえに、ほかの場所よりも存在意義が大きく特別に見えるのではと考え、この特徴あるダクトレールを視覚的にも物理的にも利用しました。日常的にこの場所を行き来している人々には、ふだんの見慣れた風景が奇妙に変化しているという違和感を、また、初めて訪れる人にはこの空間自体も自然と視野に入れて鑑賞するような面白みを感じてもらえたらと思います。

ARTIST PROFILE

鮫島 弓起雄 / Yumikio Sameshima
2010年
東京造形大学美術学部 彫刻専攻領域卒業
2016年
ゲンビどこでも企画公募2016 飯田志保子賞 受賞
小須戸ARTプロジェクト
2017年
IAG AWARDS2017 C-DEPOT賞 受賞
亀山トリエンナーレ
「時」を感じるアート展
ホテルアートフェス
2018年
MONOCHROME展
水と土の芸術祭
池袋回遊派美術展IAG ARTISTS SELECTION  など

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:公募情報サイトでBrilliaARTAWARDのことを知りました。ひとつの空間内を自分一人だけで構成して作品を展開できる機会というものは他ではあまりなく、また、東京駅にほど近く通りすがりに作品を目にすることができるという立地にも魅力を感じ応募しました。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:まずは実際の展示スペースを見に行くことから始めました。スペースの大きさや雰囲気、構成している素材、立地、周りの景色、行き交う人種など様々な要素を観察して、他のスペースではなくこのBrillia Loungeで発表することに意味のある作品ができないかと考えました。そこで目に入ったのが天井のダクトレールでした。「よし、このダクトレールを基本要素にして企画を考えてみよう!」と。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:今回の企画は会場に作品を展示する、というよりも会場自体を変容させる、という形態になっています。美術やアートと聞くと、何か日常とは一線を画した特別な変わったもののようなイメージを抱きがちですが、実際は普段の生活にある風景や物事をほんのちょっと見方を変えただけのところにアートや面白いことが紛れているんじゃないかな、という想いが根底にあります。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:実際に会場に設置してみるまで作品の全体像を自分でも把握するのが難しいものだったのですが、予想以上に場の景色に溶け込む作品になったかなと感じています。むしろ馴染みすぎて逆に目立たなくなったのでは?という若干の懸念もあるくらいです。約3カ月の展示期間季節も移ろって行く中で、周りの風景や道行く人々にどのような影響を与えていくのか楽しみです。

Brillia ART AWARD 2019 No.07作品・アーティスト紹介

Brillia ART AWARD 2019 大賞
TITLE
ラフレシアのゆめ
CONCEPT
ラフレシアは腐臭を放ち、
人間をも捕食しそうな印象がありますが、
実際には肉食ではなく、匂いを出さない種もあります。
また、花を咲かせると三日で枯れてしまうように、
見た目の強烈さとは裏腹に
繊細さや生命の美しさが存在しています。
ギャラリースペースをガラスの温室に見立て、
中にあらわれる強くて儚いいきものを
染色の伝統技法である絞り染と型染めの技法を用い、
一枚の布をそのまま、切り貼りすることなく
立体へと制作しました。
Brillia ART AWARD 2019大賞
審査員より:選出の理由

本作の大賞選定にあたっては、空間の活用と、細部のクオリティという2点を大きく評価しております。
ガラスに囲まれた特異な空間を温室と見立て、この中で生息した架空の花と都市が持つ二面性を重ねて表現した作品は、天井から吊るすことであたかも宙に浮いているかのように見えます。とても軽く、空調の風によって僅かに揺れ動き、通りゆく人が作品を見たときに、生命力を感じていたと思います。
また、複雑に構成された形は、実は一枚布で作られており、近づいて見た人により驚きを与えたと思います。シルクオーガンジーならではの発色による赤のグラデ―ションがあまりにも綺麗で、作品の花そのものに生命を感じさせています。
以上の観点から、無機質な展示空間に独特な世界観を実現した本作品を大賞とさせていただきました。

ARTIST PROFILE

寺村 サチコ / Sachiko Teramura
2012年
多摩美術大学大学院テキスタイルデザイン研究領域 修了
2013年、2015年
 中之条ビエンナーレ(群馬)
2017年
群馬のシルクアーティスト2人展 大竹夏紀・寺村サチコ(日本絹の里/群馬)
群馬の美術2017(群馬県近代美術館/群馬)
2018年
国際絞り会議2018 IN JAPAN SHIBORI 融合と進化(多摩美術大学美術館/東京)
日比谷花壇大船フラワーセンター 個展「ゆりかごに棲む」 など

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:募集は公募サイトから拝見しました。普段はギャラリーや美術館などのクローズな場所で展示させていただくことが多いのですが、都市部の中にある、だれでも作品に触れることのできる場所で展示ができることが面白いと思い応募いたしました。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:普段から「女性の持つ美しさとその裏側に存在する毒感」をテーマとし、花や海の生き物をモチーフに立体作品を制作しています。今回はギャラリーの3面がガラスケースということと、オフィスビルの施設に併設されている場所だったので、それを都市の中の温室と見立て、その中で育った二面性を持つ巨大な生物をつくりたいと考えました。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:都市の日常なかに巨大生物的なものが急に現れることで、普段と違う角度で景色や空間を見ることができれば面白いのではと考えながら制作しました。また実在する生物ではない、不思議な生命の持つ華やかさや怪しさと同時に存在する繊細さや儚さなどの二面性を感じていただければ嬉しいです。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:1枚の布を切り貼りすることなく、染色の技法を応用して凹凸をつけて作品を制作しています。今回の作品も3点で100m近くの絹布を使っているので、布の持つ可能性とともに、それらの持つ密度や熱量、空調や人の出入りによって作品もわずかにゆらめくので、「生き物感」も楽しんでいただけるのではないかと思います。

Brillia ART AWARD 2019 No.08作品・アーティスト紹介

TITLE
Book Para-Site
CONCEPT
本と建築は似ている。本にも「扉」や「柱」と呼ばれるものがあるし、動線を考えながらレイアウトを作り込んでいく点もよく似ている。人間よりも小さく、手で持つことができるのが本で、人間よりも大きく、身体として入ることができるのが建築だ。大きさは異なるが、共に宇宙だ。
「最も重要な『芸術』を問われたなら『美しい家』と答えよう、その次に重要なのは『美しい書物』と答えよう。」私がブックアートの制作を始めた当時、大きな影響を受けたウィリアム・モリスの言葉にも、本と建築の関係性を読み取れる。建物の形に合わせて寄生するように存在する「本」が、新たな「本と建築の関係」を生み出す。

ARTIST PROFILE

太田 泰友 / Yasutomo Ota
2014年
バイエルン美術工芸協会 国際若手美術工芸賞 ファイナリスト
2015年
ヤング・ブックデザイン奨励賞 ショートリスト(ドイツ)
2016年
ポーラ美術振興財団 在外研修助成(ドイツ)
2017年
ブルグ・ギービヒェンシュタイン芸術大学(ドイツ、ハレ)ブックアート科
最高学位マイスターシューラー号取得
ALENTE賞 受賞(ドイツ)

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:仕事のつながりで Brillia ART AWARD のことを知った友人が、紹介してくれたのがきっかけです。作品募集のページで趣旨と展示空間の画像を見て、機会があれば実現したいと長い間考えていた作品に挑戦できそうだと感じたので、応募を決めました。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:以前に取り組んだプロジェクトで、〈建物〉と〈本〉の関係性を考え、小さなスケール感で〈建物〉の内部に〈本〉を寄生させたことがありました。その経験を元にしながら、とにかく「THE GALLERY」の形状をガラスの外から観察し、周辺の街の様子も観察しながら、東京建物八重洲ビルに〈本〉を寄生させる方法を考えました。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:〈本〉と〈建築〉の境界線になっていると感じる〈スケール感〉に迫ってみたいという想いで制作しました。作品の構造は木で、テクスチャーは紙で作り、〈本〉と〈建築〉の境界を追究しています。
作品の中で引用されているウィリアム・モリスの言葉は、僕の制作活動の原点になっている言葉で、制作の根元にあるものを改めて意識しながらも、新しい表現に挑戦しようという気持ちで取り組みました。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:新しい作品に挑戦できたことが率直にとても嬉しかったです。これまでに制作してきた作品と、それをもって思い描いていたものが、現実につながった感覚を得られました。特に、作品の細部は準備段階から把握できていましたが、この “Book Para-Site” が八重洲の街の中に息づく様子は、完成して初めて見ることができたので、ほっとした気持ちと、またこれを発展させていきたい気持ちを感じました。今回の貴重な機会をいただけたことに感謝するとともに、この経験をまた次の制作へと生かしていきたいと思います。

Brillia ART AWARD 2020 No.09作品・アーティスト紹介

Brillia ART AWARD 2020大賞
TITLE
空間句集 場
「CASE ことばのうらがわ」
CONCEPT
この作品は、空間を使った一冊の本(句集)である。
ことばと絵で空間句集という場を作りあげる試みである。

「ことばと人をめぐって」

ことば。人と人とが心を通わせる手段、ことば。
人と人は今、心が通い合っているだろうか?
ことばを受け止める心は広く在るだろうか?

街頭や部屋には大きな、掌の中には小さな液晶画面。
映し出されることば、ことば。
一瞬のあいだにいくつのことばが通り過ぎてゆくだろう。
中にはとてもたいせつなことばが紛れ込んでいるはずだ。
そうしてことばは意味を置き去りにして、
やがて記号となるのではないかと思うと怖くなる。
ことばは私たち人間そのものだから。

そんな中、いちど立ち止まってひとつのことばを噛みしめたり
味わったり、何度も反芻したりする営み。
それが今、要るのではないかと思う。
熟成期間、発酵期間とも言い得るだろう。

ことばのうらがわに何がある?
どんな気持ちがかくれている?だれが云った?
どうしてこのことばだろう?
色でいうとどんな色?かたちは?

ことばと絵を見つめながら、様々な想像を巡らせるひとときを。
豊かで、広々とした世界のためにこの作品を捧げる。
やさしさと少しのユーモアを込めて。
Brillia ART AWARD 2020大賞
審査員より:選出の理由

本作は、今までにない会場の使い方によって、自由なアート表現と、展示の多様性を実現し、Brillia Art Awardの今後の可能性を広げることができたと思います。

俳人でもあり、絵描きでもある園田さんは、応募時より個性的な文字が印象的で、作品が完成すると空間をどのように彩ってくれるのかという期待がありました。
完成された作品は、空間に吊り下げられた詩と絵画、また、作者のアトリエを思わせるような佇まいから、無限に詩が広がり、部屋主が不在でも作品と作者の想いが繋がっているように感じます。言葉が色になり、色が言葉になって繰り返される時間を楽しめる作品だと思います。
描かれた詩と絵画は、コロナ禍であった状況を表現するために制作されたのではありませんが、普遍的な時間軸を謳った内容が、道行く人々に希望を与えてくれたのではないかと思います。
以下に、作品の一部である印象的な詩を引用させていただきます。

“ひとつぶの泪もやがて雲となる”
“雨あがる万物どっと共笑す”

ARTIST PROFILE

園田 源二郎 / Genjiro Sonoda
2010年
芝不器男俳句新人賞 特別賞( 愛媛 )
2014年
個展「命脈」( FUMA CONTEMPORARY/東京 )
2014年、2016年
六花ファイル 作家選出( 六花亭製菓(株)/北海道 )
熊谷守一大賞展 奨励賞( 熊谷守一記念館/岐阜 )
2015年
個展「冬の賜物」( 六花亭製菓(株) / 北海道 )
2016年
武井武雄記念 日本童画大賞絵本部門 山本容子賞( 長野 )
2017年
あたらしい創作絵本大賞 優秀賞(大阪)
2019年
アートハウスおやべ現代造形展( 富山 )
宮本三郎デッサン大賞展(石川・東京) ほか

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:作品募集の告知を偶然みつけたのが始まりです。ギャラリーの写真や、コンセプトをのぞいてみると作品のイメージがぱっとひらめきました。それを実際にかたちにしたいと思ったのが、応募のきっかけです。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:絵と俳句(ことば)が一対になったものを天井から吊るすイメージがふと浮かびました。誰かが居る、今まで居たような部屋の中に。今回の企画はひらめいたイメージを壊さず、なるべく忠実に再現することに傾注した作品です。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:通りすがりにふと作品を見てくださる方の、まなざしの宿り木のような作品になればと思います。草木、虫や獣、人間、いろんな生きものが生きています。わたしたちが生きているのは、元来とてもゆたかで広々とした世界だということを現したいと思いました。何かの気配や息づかいを感じてもらえるように仕上げました。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:展示作業中に道行く方が声をかけてくださったり、近くまで来て作品をじっとみつめる方もおられました。人のまなざしやことば、向けられた思いによって作品は醸成されてゆくのだと改めて感じました。それらは目には見えないものゆえ、見えないところ・「うらがわ」を深く想うよう、わたし自身も作品から教えられた気がします。ありがとうございます。

Brillia ART AWARD 2020 No.10作品・アーティスト紹介

TITLE
すみかのすみか
CONCEPT
東京の人口は、今もなお増え続けています。都心にたくさんの人が集まってゆくにつれて、一人の居場所が重視されるようになりました。けれど、たとえ一人になる場所にいたとしても、その人の内側には、自分ではない誰かが出入りするスペースがあるのではないでしょうか。

この作品は、動物の共生をモチーフに、ある生き物の内側で、別の生物が住んでいる様子を表現しています。
東京の中心という展示場所を舞台に、ひとりひとりが自分のスペースを持ちながらも、孤立しているのでなく、内側には誰かを受け入れる場所があり、互いを尊重して暮らしている、という生き物の営みを描きます。

ARTIST PROFILE

高井 碧 / Midori Takai
2017年
多摩美術大学美術学部生産デザイン学科プロダクト専攻卒業
2020年
東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修士課程在籍

2018年

YAMATOイラストレーションデザインコンペ2018 優秀賞
コミテコルベールアワード2018 入選
2019年
「SUTTEN(素展)」ーそれってデザイン?(スパイラルガーデン)
「藝大×子ども展vol.1 森の宝物をさがしに」(藝大アートプラザ)
「コミテコルベールアワード2019ー令和:新しい時代ー」展
(東京藝術大学大学美術館)

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:公募サイトを通して知りました。実際にギャラリーを拝見して、日夜人の通りが多い場所に作品を置くことができる点、様々な角度から作品を見せることができる点に魅力を感じて応募しました。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:最初に、東京の中心地で伝えたいことをテーマにしようと決めました。それからギャラリーのスケール感と作品の見せ方のバランスを考え、形を詰めていきました。口の中にいる生き物などの細かな造形は、実際に制作しながら考えています。

Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:ギャラリーと歩道の距離が近いことから、見ている人に作品を体感してほしいと思い、できる限り大きな作品にしようと心がけました。 今、人との距離感は物理的にも精神的にも大きく変化しています。動物たちの共に助け合いながら生きる姿が、現代の人が感じているかもしれない孤独や不安を癒すメッセージとなれば幸いです。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:ペンキを使い、のびのびと全身で色を塗っていると、自分も彼らと海中を泳いでいるような自由な気持ちになりました。実際に設置してみると、作品のやわらかい形が端然と立ち並ぶビルのなかで際立ち、面白いと思いました。空間に降り注ぐ夏の日差しが作品の季節感とも相まって、爽やかな雰囲気を作り出せたかと思います。普段、この付近を通りがかる方々に涼しい気持ちになっていただければ嬉しいです。

Brillia ART AWARD 2020 No.11作品・アーティスト紹介

TITLE
「標本No.X:
八重洲の古地磁気」
CONCEPT
この展示場がある八重洲は、かつて海だった。
縄文期から現在までの間に、海域から湿地を経て江戸初期以降幾度も埋め立てられたのち、現在の地表になっている。
今私たちが目にする、アスファルトで覆われたこの地面の下には、幾層にも重なる基盤自然土と客土の層があり、これらの層は異なる古地磁気方向をもちながら一体化している。その様は多種多様な人が集まるこの土地を体現しているようである。
今、この地下に眠る地層を削り出すことができるなら、それはどんな姿をしているだろうか。
これは、歴史の断面を顕在化させる試みである。

ARTIST PROFILE

森藤 文華 / Fumika Morito
2010年
早稲田大学理工学部建築学科 卒業
2012年
早稲田大学院創造理工学研究科建築学修士取得
2013年
2.5architectsを設立
2015年
中之条ビエンナーレ
EWAA award finalists at La Galleria in London
2017年
日本建築設計学会 Architects of the Year 2017 受賞
かけがわ茶エンナーレ2017
2018年
かけがわ茶エンナーレ2018
2020年
東京ビエンナーレ
JIA ゴールデンキューブ賞 特別賞受賞

ARTIST VOICE

Q:応募のきっかけは?
A:都心で展示ができる機会を公募で提供しているのはまれでしたので、以前より注目していました。また、展示場所が人の往来するショーウィンドウ的な角地であり、街の風景に溶け込む場所であることも魅力に感じた一つです。

Q:どうやって企画を考えたのですか?
A:作品を作る際は、その場所ごとにサイトスペシフィックなアプローチで、まずは制作の手法から考えます。今回は、ビルが立ち並びこれからも発展していくであろうこの街の一角に存在するものとしての作品価値を考えるところから、つまりは、都市的なマクロ視点からスタートしました。
 
Q:作品に込めた想いを教えてください。
A:今や都会の中では自由に露出した土に出会い難くなっています。この作品に現れた土の持つ美しさや表情を通して、今立っている足元には幾多の土の層、すなわち歴史が横たわっているのだ、ということを想起してもらえたら幸いです。それはきっと、誰しもがそれぞれに持つ、土への感覚の記憶を呼び起こすことにも結びつくのではないでしょうか。

Q:実際に作品を完成させた感想をお聞かせください。
A:この作品には、実際に東京の工事ででた数種類の残土を使用しています。材料として精製されていない荒々しいマテリアルと向かい合い、展示場所で足下の地層に想いを馳せながら、ひたすらに製作できた日々は幸せでした。ガラスケースの標本箱の中にあるようなこの塊が、実は形状に収まらない土の魅力とエネルギーを発している様をぜひご覧ください。
最後に、今回の作品制作に携わってくださった、たくさんの方々に感謝いたします。
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